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2026.11.06

企業動画の著作権・肖像権|BGM・出演者・素材で気をつけること

企業動画でトラブルになりやすいのは、BGMなどの音楽、出演している人の肖像、他人が作った写真やイラストの3つです。基本は「自分たちで作ったもの以外は、使ってよい範囲を確認してから使う」こと。特に社員やお客様が出演する場合は、撮影前に使用範囲と期間を決めた同意を取っておくと、公開後のトラブルを防げます。この記事では、公開前に確認したいポイントを整理します。

※この記事は一般的な情報の整理です。個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

動画に関わる主な権利

権利 対象 動画でよくある場面
著作権 音楽の曲・歌詞、写真、イラスト、映像、文章など BGM、ネットで見つけた画像、他社の映像の流用
著作隣接権 実演家(歌手・演奏者など)、レコード製作者(音源)など 市販CDや配信音源をそのまま使う
肖像権 人の顔や姿 社員インタビュー、お客様の声、イベント会場の映り込み
商標など 他社のロゴ・商品名 他社製品が大きく映る、ロゴを加工して使う

文化庁の解説では、著作隣接権は実演家・レコード製作者・放送事業者などに与えられる権利で、著作権と同じく登録しなくても自動的に発生するとされています。

BGMで気をつけることは?

音楽には、曲そのもの(作詞・作曲)の著作権と、その曲を録音した音源の権利(著作隣接権)があり、別々に考える必要があります。

  • 市販の曲をそのまま使う:曲と音源の両方の許諾が必要になり、企業の宣伝目的では手続きが難しいことが多い
  • 音楽管理団体の包括契約:動画共有サービスが管理団体と契約していても、それは主に「曲」の利用に関するもの。CDなどの音源を使ってよいことにはならない
  • ロイヤリティフリー音源:使いやすい選択肢だが、「商用利用可」「クレジット表記の要否」「広告での利用可否」など、規約の条件を必ず確認する
  • YouTubeのオーディオライブラリ:YouTube上での利用を前提に用意された音楽・効果音。YouTubeのヘルプでは、ライブラリからダウンロードした音楽はYouTube動画で安全に使えると案内されている。ただしYouTube以外(展示会・テレビCMなど)で使う場合は、別途条件の確認が必要

企業動画では、使う場所(YouTube・自社サイト・展示会・広告)をすべて洗い出したうえで、その全部で使える音源を選ぶのが安全です。

よくあるのは、「YouTube用に作った動画を展示会や店頭でも流したい」「テレビCMや動画広告にも転用したい」と後から用途が広がるケースです。音源の規約によっては広告利用や公共の場での再生が別料金・別契約になっていることがあるため、BGMを選ぶ段階で将来の使い道まで想定しておくと、作り直しを避けられます。迷う場合は、オリジナルの楽曲を作る、BGMを使わずナレーションと環境音で構成するといった方法もあります。

社員やお客様が出演するときは?

人が映る動画では、肖像権への配慮が欠かせません。トラブルになりやすいのは、撮影時は口頭でOKだったが、退職後や関係が変わった後に削除を求められるケースです。人事・労務の専門家の解説でも、在職中の同意が退職後まで続くとは限らないため、同意書で範囲を決めておくことが実務上の対策として挙げられています。

同意を取るときに決めておきたい項目は次のとおりです。

  1. 使用する媒体:自社サイト、YouTube、SNS、採用媒体、展示会、広告など
  2. 使用する期間:無期限か、期間を区切るか
  3. 退職・契約終了後の扱い:継続使用か、申し出があれば差し替え・非公開にするか
  4. 編集の範囲:切り出しや短縮版の作成をしてよいか
  5. 氏名・役職の表示:名前を出すか、イニシャルにするか

採用動画や社員インタビューは特にこの点が重要です。採用動画の作り方は採用動画の作り方で解説しています。

映り込みに注意したいもの

  • 通行人や来場者の顔:店舗・イベントでの撮影は、特定の人が大きく映らない構図にするか、ぼかしを入れる
  • 他社のロゴ・商品:意図せず大きく映ると、提携や推奨と誤解される場合がある
  • ポスター・絵画・テレビ画面:背景にはっきり映ると、他人の著作物を使っていることになる場合がある
  • 個人情報:ホワイトボードの書き込み、パソコン画面、書類、車のナンバーなど

撮影前に現場を一度見て、映してはいけないものを片付けておくのが一番確実です。

工場や店舗の撮影では、取引先の名前が入った書類や出荷ラベル、社内の掲示物などが背景に映りやすくなります。撮影後に気づいた場合は、編集でぼかしを入れたり、その場面を使わない構成に変えたりして対応します。公開前に社内の複数人で動画を見て、「映っていて困るものがないか」を確認する工程を入れておくと安心です。

写真・イラスト・ロゴ素材の注意点

  • ネット検索で見つけた画像は、基本的に使わない
  • 素材サイトの画像は、商用利用・加工・動画での利用が許可されているかを規約で確認する
  • 取引先のロゴを「導入企業」として出す場合は、先方の了承を得る
  • 過去にデザイン会社が作ったロゴやキャラクターは、二次利用の取り決めを確認する

なお、他人の文章や映像を一部紹介する「引用」は、文化庁の解説資料でも、引用する必然性があること、正当な範囲内であること、出所を明示することなどの条件が示されています。企業の宣伝動画で他人の映像を使う場面では、引用にあたるかの判断が難しいことが多いため、原則として許諾を取るか、自社で撮影した素材に置き換えることをおすすめします。

YouTubeで公開するときの注意点

YouTubeには、権利者が自分の作品と一致する動画を見つける「Content ID」という仕組みがあります。YouTubeのヘルプによると、Content IDの申し立てを受けても、それだけで「著作権侵害の警告」が付くわけではありません。一方、権利者からの削除通知が認められると警告が付き、警告が3回たまるとチャンネルが停止されると案内されています。

企業チャンネルが停止されると、それまでの動画や登録者をすべて失うことになります。音源の権利があいまいな動画は公開しない、というルールを社内で決めておくことをおすすめします。

制作会社に依頼するときに確認したいこと

確認項目 確認する理由
BGM・素材の出どころ 使える媒体と期間が決まっているため
完成した動画の利用範囲 Web・展示会・広告など、どこまで使えるか
撮影データの扱い 後から別の動画を作るときに素材を使えるか
出演者の同意の取り方 同意書の準備を制作会社と自社のどちらが行うか

外注の進め方全体は動画制作の外注はどう進める?、見積もり時の確認点は動画制作の見積書の見方もご覧ください。

よくある質問

社内向けの研修動画でも許諾は必要ですか?

社内向けでも、他人の著作物を使う場合は利用条件の確認が必要です。社外に出さないからといって、自由に使ってよいことにはなりません。迷う場合は、自社で用意した素材だけで作るのが安全です。

退職した社員が映っている動画はどうすればよいですか?

まずは撮影時の同意の内容を確認します。範囲が決まっていない場合や本人から申し出があった場合は、差し替えや非公開も含めて検討するのが一般的です。個別の判断は専門家にご相談ください。

YouTubeで著作権の申し立てを受けたらどうすればよいですか?

YouTube Studioで申し立ての内容(どの部分が、どの権利者の作品と一致したか)を確認します。使用する権利がある場合は異議申し立ての手続きがありますが、正当な理由がないまま異議を唱えると削除通知につながることもあるため、慎重に判断してください。

権利に配慮した動画制作はご相談ください

ランランドでは、企画の段階からBGMや素材の選び方、出演者への説明の仕方まで含めてご提案しています。YouTube運用代行では、企業チャンネルを安心して続けられるよう、公開前の確認も一緒に行います。詳しくはYouTube運用代行・動画制作のページ、またはお問い合わせからご相談ください。

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